お家でパスタ♪ 1「パスタを茹でる」
食べたいと思ったときに手早く簡単に作れるのもパスタの魅力の一つ。
お湯を沸かしている間に食材を用意し、麺を茹でている間にソースを作る―。
でも、家で作ると、美味しいと評判のレトルトソースを使っても、なかなか美味しくできないという声も聞かれます。
パスタを美味しく作る一番の鉄則は、茹でるお湯に対して1.1~1.2%の塩をちゃんと溶かしてから麺を入れ、穏やかな沸騰状態を保つことです。
大体みなさんお蕎麦やうどんを茹でるのと同じ感覚でお鍋に直接水を入れて沸かし、麺を入れる直前に適当に塩を入れているようです。
お蕎麦やうどんと違って、パスタには塩が入っていませんので、茹でながら味をつけます。麺に味が入っていないとソースをいくらちゃんと作っても、また有名シェフ監修のレトルトソースを使っても美味しくはなりませんし、後から塩を振ってももう味は入りません。また反対に塩分が濃いとしょっぱくというか、トマトソースなどでは酸味が立って酸っぱく感じられます。そういうわけで、ちゃんと水と塩の分量を計って、そしてしっかりと(1分くらい)かき混ぜて塩が溶けたのを味見してから麺を入れます(吸い口のような塩味になっていればOK)。
スパゲッティなどのロングパスタを1人前(100g)茹でるのに必要なお湯は最低3リットルです。2人前なら4.5リットルくらいは使います。またロングパスタは長さが30cmくらいあるはずです。縦長にしろ、広口にしろ、麺を入れたときに最初から全体がお湯につかる大きさの鍋を使い、たっぷりのお湯を沸かしましょう。お湯が多ければ多いほど、麺を投入してから再沸騰までの時間が短くなります。
また、見落としがちなのが、お湯の温度です。乾麺には粉が振られていないことから、火加減を調節しなくても吹きこぼれることはないので、皆さんお湯を沸かしているときと同じ強強火のままにしているようです。でもお湯の温度が高すぎると同じ茹で時間なのに、麺からコシがなくなってしまいますし、麺が踊って擦れあうことで表面が削れてしまいます。また反対にお湯の温度が低ければ、表面がグニャグニャになってしまいます。ですので、麺を入れて再沸騰したら、湯面がゆらゆらしている穏やかな沸騰状態に火加減を調節しましょう。これだけで劇的に美味しくなる、かとりあえず不味いことはなくなるはずです。というよりも、パスタというのは麺を味わうものだというくらい麺が美味しくなるのに驚くでしょう。
一度でいいので、ご家庭で使っている鍋にどれくらいの水が入るのか、また計量スプーン一杯の塩が何グラムなのか計っておくと、楽ですよ。でももっと楽なのは、タニタなどが発売している塩分計をもっておくことです。実際に、プロの調理師さんでも体調とか飲み過ぎとか寝不足とかの理由によって、味見をしても塩分がわからないことは時々あります。だから、プロでも毎日、ちゃんと塩は計量するし、お湯が減って塩分が濃くなってきたら塩分計で水で薄めます。 味見は大切ですけれども、どういうわけかわからないときはときどきあるのです。そういうときは舌よりもこういう便利な機械や身についた調理の流れに委ねるわけです。
お家でもパスタは美味しく作れます。ただプロは感覚を過信せず、正確なコントロールを